Classici giapponesi con furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Leggi 完本 たぬき汁 (たぬきじる) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.158 caratteri · 273 schermate
それから、亀右衛門と蔵人は殊のほか眤懇になった。亀右衛門はもと丹後の小野木縫殿助の家来で、忍びの名人として天下に聞こえ、大力の上に早業をよくし城の塀など飛鳥のように飛び越す武人であったが、小野木家滅後細川家へ仕えたのである。そして二千石を領していた。
蔵人は、父の死後も身持ちが直らない。朝から酒をくらって遊び歩き六千石の大身でありながら、少しの金の蓄えもなくいつも財用不足勝ちであった。だから、亀右衛門は折り折り強意見を加えた。ところが、その時は承服するけれど見奢りきった僻やまず、これを見て亀右衛門はほんとうに心を痛めてきたのである。ある年、蔵人が江戸の勤番を終えて帰国する途中をはかり、亀右衛門は十人ばかりの家来をつれて馬上に乗り出し、路上でばったり蔵人と出合わした。亀右衛門はことさらに忙しい風を装い、ただ一礼したのみで行き過ぎた。蔵人はこれを不審に思って馬をかえして亀右衛門を呼び止め、
『貴公、大分忙しそうだが何か急用でもできたのか』
と、問うた。ところが、亀右衛門は、
『大事起こり候』
こう答えたばかりで、また行きすぎようとする。蔵人は、いよいよ不審に思って、さらに馬をかえして亀右衛門を呼び、