Classici giapponesi con furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Leggi 完本 たぬき汁 (たぬきじる) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.158 caratteri · 273 schermate
だが、味は結構でない。河豚のうちで、一番風味に乏しいと言ってよかろう。やはり、皮膚に刺がなく大きいのになると二貫目以上に育つ。
市中の小料理屋で鉄砲鍋とか小斎鍋とか言って売っているのがそれで、毒が少ないからこれならば命に別状はない。昔、江戸っ児が河豚はうまくねえ、と貶してきたのは、安全なものとしてこの味の劣る小斎を選んできたためだと思う。
河豚は、海釣りの外道として釣り人から仇のように憎まれている。そのはずであろう。上腮と下腮に生えている一枚歯は、やっとこのように力強く、剃刀のように鋭い。この歯に噛まれたらどんな太い天狗素でも、一噛みでぽきんだ。
鯛釣り漁師は、丹精して繋いだ百尋もの本天狗素の釣り糸を、時々河豚にやられるので、河豚にかかっちゃ泣いても泣ききれないとこぼす。だから釣り人は河豚が釣れると憎しみのあまり、骨も砕けよと渾身の力で舷か、岩角へ叩きつけるのだが、河豚は腹をふくらますだけでけろりとしている。皮膚が硬いからいかに強く叩きつけられても、何の怪我もない。眼をぱちぱちさせて人を眺めている。魚のうちで、まばたきするのは河豚に、どんこ沙魚ぐらいのものだろう。