Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
お雪は畳の上に突伏したまま、やや暫時の間は頭を揚げ得なかった。
「オイ、そんなことをしていたって仕様が無い。この手紙は皆なの寝てるうちに出して了おう」
と三吉は慰撫めるように言って、そこに泣倒れたお雪を助け起した。郵便函は共同の掘井戸近くに在った。三吉は妻を連れて、その手紙を出しながら一緒にそこいらを歩いて来ようと思った。
お福や書生の眼を覚ませまいとして、夫婦は盗むように家の内を歩いた。表の戸を開けてみると、屋外は昼間のように明るかった。燐のような月の光は敷居の直ぐ側まで射して来ていた。
裏の流は隣の竹藪のところで一度石の間を落ちて、三吉の家の方へ来て復た落ちている。水草を越して流れるほど勢の増した小川の岸に腰を曲めて、三吉は寝恍けた顔を洗った。そして、十一時頃に朝飯と昼飯とを一緒に済ました。彼は可恐しい夢から覚めたように、家の内を眺め廻した。
口では思うように言えないからと言って、お雪が手紙風に書いた物を夫の許へ持って来た頃は、書生も水泳に行って居なかった。お雪が三吉に見てくれというは、種々止むを得ない事情から心配を掛けて済まなかった、自分は最早どうでも可いというようなそんな量見で嫁いて来たものでは無い、自分は自分相応の希望を有って親の家を離れて来た、という意味が認めてある。