Classici giapponesi con furigana
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第一巻 (どんぐり) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.161 caratteri · 412 schermate
町内の掃除人夫を頼んで天井裏へ上がって始末をしてもらうまでにはかなり不愉快な思いをしなければならなかった。それ以来もう猫いらずの使用はやめてしまった。猫いらずを飲んだ人は口から白い煙を吐くそうであるからねずみでも吐くかもしれない。屋根裏の闇の中で口から燐光を発する煙を吐いているのを想像するだけでもあまり気持ちがよくない。
木の板の上に鉄のばねを取り付けた捕鼠器もいくつか買って来て仕掛けた。はじめのうちはよく小さな子ねずみが捕れた。こしらえ方がきわめてぞんざいであるから少し使うとすぐにぐあいが悪くなる。それを念入りに調節して器械としての鋭敏さを維持する事はそういうあたまのない女中などには到底望み難い仕事である。私はこのような間に合わせの器械を造る人にも、それを平気で使っている人にも不平を言いたくなるのである。
金網で造った長方形の箱形のもしばしば用いたが、あれも一度捕れると臭みでも残るのか、あとがかかりにくい。まれにかかってもたいていは思慮のない小ねずみで、老獪な親ねずみになるとなかなかどの仕掛けにもだまされない。いくらねずみでも時代と共に知恵が進んで来るのを、いつまでも同じ旧式の捕鼠器でとろうとするのがいけないのでないかという気もする。