Classici giapponesi con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Leggi 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) di 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.097 caratteri · 267 schermate
落城後私があちこち流浪をした時にも、若月はいつも私に附添って、散々苦労をしてくれました。で、私の臨終が近づきました時には、私は若月を庭前へ召んで貰って、この世の訣別を告げました。『汝にもいろいろ世話になりました……。』心の中でそう思った丈でしたが、それは必らず馬にも通じたことであろうと考えられます。これほど可愛がった故でもございましょう、私が岩屋の内部で精神統一の修行をしている時に、ある時思いも寄らず、若月の姿が私の眼にはっきりと映ったのでございます。
『事によると若月は最う死んだのかも知れぬ……。』
そう感じましたので、お爺さまにお訊ねして見ますと、果してこちらの世界に引越して居るとの事に、私は是非一と目昔の愛馬に逢って見たくて耐らなくなりました。
『甚だ勝手なお願いながら、一度若月の許へ連れて行ってくださる訳にはまいりますまいか……。』
『それはいと易いことじゃ。』と例の通りお爺さまは親切に答へてくださいました。『馬の方でもひどくそなたを慕っているから一度は逢って置くがよい。これから一緒に連れて行って上げる……。』
幽界では、何所をドー通って行くのか、途中のことは殆んど判りませぬ。