Classici giapponesi con furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Leggi 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.234 caratteri · 160 schermate
一本道であるけれども彼方へ曲り此方へ曲りしている上に、草が人間の背よりも高く、父の姿がとき/″\それに没してしまうので、今度は滋幹は一二間の距離まで近寄って行ったが、両側から路の方へ蔽いかぶさっている草を掻き分けながら行くので、袂も裾もしたゝか露に濡れて、つめたい雫が襟もとまで沁み入るのであった。
父は、小川に橋のかゝった所へ来ると、それを渡って、なお真っ直ぐにつゞいている路の方へは行かないで、川のふちへ降りて、少しばかり河原のようになっている砂地を、川下の方へ歩き出した。と、橋から一丁ばかり下のちょっと小高く盛り上った平地に、土饅頭が三つ四つ築いてあって、それらはいずれも土が柔かで新しく、頂上に立てゝある卒塔婆も真っ白な色をしており、折柄の月に文字まではっきり分るのであった。卒塔婆を立てないで、代りに小さな松杉などを植えたのもあり、土饅頭でなく、柵で囲って、石を積み上げて、五輪の塔を据えたのもあり、簡単なのは、屍体を一枚の莚で蔽うて、しるしの花を供えたゞけのものもあったが、中には又、此の間の野分で卒塔婆が倒れ、土饅頭の土が洗われて、屍体の一部が下から露出しているのもあった。