Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
か躑躅を生けたものが戸毎の軒下に置いてあるのを見た。磔茂左衛門の墓からは香烟が渦を巻いて昇っていた。道はすぐ赤谷川の左岸に出る。四、五町の間両岸とも高さ二、三丈ある岩の竪壁で、対岸の岩の上には大きな赤松が程よく生え、一寸見られる景色であったが、其後松は伐られて台なしになってしまった。いつかここで馬車が墜落して、乗客が残らず惨死した話を聞かされて以来、馬車も自動車も此処を通る時は余り乗り心地よくはなかった。湯宿の金田屋へ泊った折は、部屋の四方の襖に詩とも歌ともつかぬ格言めいた奇抜な文句が書いてあるので、同行の友人と腹を抱えて笑ったりした。大島橋の上から遠く望む仙倉山と恵比須大黒ノ頭とは、北アルプスの劒岳立山にも劣らぬ眺めである。
相俣の人家を出離れると正面に小出俣岳と恵比須大黒ノ頭とが、松本平から北アルプスでも眺めるように目の前に立ちはだかる。赤谷川に架けられた生井の相生橋は、水面から二十丈とかいう高さで、甲州の猿橋などより遥に高く、峡谷も短い間ではあるが実に立派なものだ。この景勝の地を占めている笹ノ湯の建物が橋の上から瞰まれる。猿ヶ京からだらだらと下って急に吹路へ上る坂にはいつもうんざりするのであるが、右の山側へ作られた林道も楽な代りに余り遠いので、これもうんざりしてしまう。