Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
アゾ原
折尾谷もこのあたりでは明るい谷で、水は細い。この岩魚も大水に置き残されたものであろうという。私は初め鱒かと思った。夜中に眼が覚めて外を覗くと、鬱陶しかった谷の空はいつの間にか星が銀砂子を撒いていた。
アゾ原
二日。晴れ渡った空には一片の雲もない。今迄緊め付られていた胸が一時に拡がるような快感がある。午前四時頃から起きたので、六時四十分には出懸けられた。旭の光は既に対岸の餓鬼奥鐘の連嶺の頂を超えて、此方の山の中腹を段だらに染分けていた。山の裾を直ぐ登りに懸って、脚の下に河を見ながら進む。絶壁の上を通ったり下を廻ったりする。木が無ければとても通れぬ所がある。黒味を帯びた岩壁も水に洗われる所までは、白く研磨されて滑に光っている。山の傾斜が緩い処ではシデ、椈、水楢などの大木が茂り合って、其下には両面羊歯が大きな葉を四方に拡げて隙間もなく生えていた。森の空気がひやりと冷い。斯うした山の鼻を一時間余り横に搦んで河原に下りた。水は向う岸の四、五丈もある花崗岩壁の下を瀬を成し淵を成して流れている。色は益々冴えて来たようだ。絶壁には横に大きな襞が幾つかあって、そこにはギボウシの花が咲いているのを見た。