Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
主馬は平四郎を見た。
「村田さんがもしも、これを見て笑うとしたら、私はもう村田さんを尊敬しませんね」
彼は顔をへんなぐあいに歪め、くいしばった歯の間から、妙な、かすれたような声で、こう云った。
「これは神を嘲弄するものであり、人間に対する冒涜です、私にもしも親の仇敵があって、そいつを八つ裂きにしてやりたい、と思うほど憎んでいる、としてもですね、その男をこういう(と彼は来太のほうへ手を振った)こういうざまにはしたくない、こういうざまでは決して見たくない、といったありさまじゃないですか、そう思わないですか」
「――思わないね」
「思わない、思わないですか」
こう云ったとたん、主馬は、まるで矢が弦を放れたように、笑いだした。
思うに、彼の歪んだ表情や、歯をくいしばったような、妙な声は、笑いを堪えるための、克己心のあらわれだったらしい。それが、平四郎の無感動な顔を見て、ついにがまんが切れ、笑いの発作におそわれた、もののようであった。
「卑怯者、それでも武士か」来太はこう絶叫していた、「恥を知れ、尋常に勝負しろ、来い」
そして、罠を外そうとして、片手を伸ばし、苦痛の呻きをあげて、横さまに、尻もちをついた。