Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
二
そしてすぐにまた、次の話へ続くのであった。
夕食のあと、かなりおそくまで酒を飲み、さすがに舌がくたびれた、などと云って、もう夜半ちかい時刻に、夜具を並べて、横になった。が、しばらくすると、「ああそうだ、忘れていた」と重兵衛は枕をぎしぎしいわせながら、「山村座の茶屋の、なをという女中が、心中をしたのを知っているかね」
「――なをが、どうしたって」
「心中をしたんだよ」
半之助は寝返った。
「おかしなことを云うね、だってあれは、板前のなんとかいう男と、結婚することになっていたんだろう、それであの日は、おれたちが祝儀までやったじゃないか」
「そうなんだがね、じっさいはあのときもう、心中するつもりになっていたらしい」
重兵衛は眠そうな、熱のない調子で云った。
「あの女中には亭主があったんだ、やくざな男だったらしい、人を斬るかどうかして、牢舎へ入れられていた、それが幾たびかの大赦で、出獄することになったんだな、……ところが、こっちは板前とできていたわけさ」
二
重兵衛もあまり詳細なことは知らなかった。なをには寝たきりの父があり、弟妹が四人と、自分の子もいた。母も土工などに出て、なをの稼ぎと両方で、辛うじて一家が粥を啜る、という生活だったという。