Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate

Aozora Bunko

――あたしが来なかったので、どうしたかと思って心配したでしょ。

などと云う。そうして帰るまで、例の如く勝手なことを、口から出まかせに、とめどもなく饒舌り、しばしばいっしょに食事をして、すっかり満足すると、

――また来まあす。

と云って活溌に帰ってゆくのであった。

また夏のあいだは、毎日のように釜無川へさそっていって、早い流れを自在に泳いでみせたり、巧みに魚を掴んで来たりした。水底の岩の間に、鰭を休めている魚たち、うぐいや鮎や、山女魚など、六七寸もあるのを、びっくりするほど巧みに掴んで来る。

――でも海はだめよ、海ときたら。

或るとき花世はこう云って怒った。

――底はのっぺらぽうの砂だし、岩があっても魚の隠れるとこがないし、明るくって四方八方見とおしだし、魚は臆病でちょこまかするし、まったくなんていったらいいでしょ。

――海へいったことがあるんですね。

半之助がきいた。

――ありますとも、それも江戸の海よ。

この話のとき、彼女は捕った鮎を、青竹の筒に入れ、葛の蔓で巻いて、焚火であぶっていた。半之助はそれが、いつか築地の丸茂で喰べた、鮎の竹蒸しというのと、同じやりかたであるのを、思いだしていた。