Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
先頭には白の大口に、きせながを着け、白い柄の長巻を持って、白い法師頭巾をかぶった武者がいた。あとに続く者はみな甲冑であるが、これも鎧下はみな白いし、兜の眼庇から白い布が、顔を隠すように垂れていた。闇夜のことで、さだかには見えなかったが、その亡霊の武者たちは、まっ暗な山道を音もなくやって来て、隠れている叔父の前を通って、武田郷のほうへと、音もなく去っていった。
「その白い古風な恰好といい、足音もたてず、すうっと、声もなく通ってゆくところは、亡霊という以外に云いようが……」
半之助は身ぶるいをした。
ほかにも話はあった。
みどうの屋敷は、念入りに改造してあるけれども、明らかに館城の構えである、とか。武田郷というところに、古い八幡宮があり、うしろに古代の塚などがあって、いかにも由緒ありげにみえる。土地の者はただ八幡社と呼んでいるが、じつは武田八幡といって、武田氏の始祖を祠ったものらしい、とか。いもじ谷というところは、古い鉱滓などがころがっている。むかし鋳造所でもあったらしく、地名のいもじは「鋳物師」と書くらしい。などということであった。
「かんば沢へも今年の冬には、はいってみようと思います、遠くから見たところでは、叢林が深すぎてちょっと近よれそうもない、冬でなければだめらしいんですよ」