Classici giapponesi con furigana
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ひらいずみきこう
平泉紀行
村山 俊太郎
Leggi 平泉紀行 (ひらいずみきこう) di 村山 俊太郎 (むらやまとしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4864 caratteri · 10 schermate
大堂宇の跡は楚石の数々に昔をしのぶに充分である。大泉池も葦の生えるにまかせて昔の夢を浮かべて夏草は一面にそよ風になびいている。
「国破れて山河あり、城春にして草青みたりと笠打敷きて時のうつるまで涙を落し侍りぬ
夏草や兵どもが夢の跡 芭蕉
卯の花に兼房見える白毛哉 曽良」
私はかくして芭蕉師弟が夏草に坐して涙を流したる心境の一部に接することの得たことを喜ぶのである。
ああ、平泉の山河よ、この山川草木一つとして生きた歴史の宿さぬものはなく、みななつかしい、しかも美しい武人の夢を宿しているのだ。あの美しい源氏の大将義経も、ここに眠っている。
「あの雪の日、このみちのくを立って、私のためになつかしい故郷をすてて、遠い戦場で死んでくれた、百六十余人の平泉の人たちの魂のためにも、私はここの土となってしまいます。
みちのくは私にとって第一の故郷です。私はみちのくへきて初めて渇えていた人間のあたたかい心に充たされたのでした。」
義経はこういっている。
ああ、みちのくの天地よ、さらば永久に静かなれ。
(第三信・平泉にて)