Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとスクリュウ
幽霊と推進機
夢野 久作
Leggi 幽霊と推進機 (ゆうれいとスクリュウ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.905 caratteri · 24 schermate
舷側のボートを一艘犠牲に供して、船が再び、明るい太陽の下に出ると、腹を減らしていた連中が期せずして食堂に集まった。むろん船はまだ大揺れに揺れていたから皆、素足のままで、室の中に張り廻した綱に捉まって、青い顔を見合せただけであったが、その時に二等運転手がフト気付いたらしく皆の顔を見まわした。
「チブスの奴等あドウしたろう。チャンコロ部屋に隔離さしておいたんだが、死にやしめえな……マサカ……」
皆は愕然となった。
すると何を考えたのか水夫長が大急ぎで自分の部屋に飛び込んで行ったので、皆は又ハッとさせられた……ところが間もなく、その水夫長が片手に小さな提燈をブラ下げて出て来たので、ホッとした連中が訳もなくアトからゾロゾロとクッ付いて行った。だから私も何の気なしに先を争って行ったが、アトで止せばよかったと思った。
チャンコロ部屋というのは船尾の最下層に近い部屋で、ズット以前に支那人の奴隷を積んだ寝床の取り崩し残りを、荒板で無造作に囲んだものであった。その真暗な蚕棚式の寝床の間を、突き当りまで行った処で、ランタンの赤い光りが停止している。それを目標にしてタマラナイ異臭がムンムンと蒸れかえる中を手探りして行くと、そのうちにヤット眼が慣れて来た。