Classici giapponesi con furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Leggi 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.483 caratteri · 43 schermate
六月はじめの夏空は浮き雲もなく晴れあがって、真上からふりそそぐ日光があたりの塁壁へ眼も痛いほどぎらぎらと照りつけている、しかしものみへ登ると駿河の海まで見わたす壮大な眺望がひらけ、吹きわたる風も膚にしみるほど爽やかだった。……この砦を占拠してからもう十余日になる、いつ逆寄せして来るかも知れない敵に対して、この僅かな日数がすでに決して楽なものではなかった、砦には水が無いので、夜になると敵の監視の眼をくぐっては谷峡まで汲みにゆく、食糧も少ないし矢も弾丸も足りない、これは掛川城から補給が来る筈ではあるが、それまではいま持っているだけでいかなる挑戦にも応じなければならないのだ、一戦して死ぬだけなら問題はないけれども、本軍の駿河進攻まで敵兵力をひきつけて置くのがさいごの目的だとすると単純ではない、しかも敵がどう攻めて来るかによって防戦の法がきめられるので、困難はいっそう大である、――煩悩すべからず、源七郎は幾たびも繰り返しそう戒めた、挑んで来る戦いがいかなるかたちであろうとも、これを最終の目的までひきつけて放さぬ、その一点のほかに為すべきことはない