Classici giapponesi con furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate
「来やアがれーッ」
だがこんな場合にも、旗二郎心中で考えていた。「随分切った、働いた。儲からなければやりきれない、娘の婿になれるかな。ここの養子になれるかな?」
――それだけの余裕があったのである。
十一
太刀音、悲鳴、「来やアがれーッ」の喚き、十分けたたましいといわなければならない。で建っている離れ座敷の中に、一人でも人がいたのなら、出て来なければならないだろう。
ところが人は出て来ない。静まり返って音もしない。それでは誰もいないのだろうか?
いやいや人はいたのである。
しかも男女二人いた。
ここは建物の内部である。
「さあご返辞なさりませ」
こういったのは女である。寝椅子の上に腹這っている。両肘で顎をささえている。乳のように白い肘である。ムッチリとして肉づきがよい。顔は妖婦! 妖婦型である。髪をグタグタに崩している。黒い焔を思わせる。その髪に包まれて顔がある。目ばかりの顔ではあるまいか? といったような形容詞をどうにもこの際用いなければ、到底形容出来ないような、そんな印象的な目をしていた。二重まぶたに相違ない。が、思うさま見開いているので、それがまるっきり一重まぶたに見える。