Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate

Aozora Bunko

「なんだなんだ、金がほしいのか」

今気がついたというように、花垣志津馬は苦笑したが、

「持ってけ持ってけ。……分けろ分けろ」

「これは莫大……」

「十両ずつかな」

「後へ二十両残りそうだ」

「うん、しめて五十両か」

安浪人め、三人ながら、手を延ばすとあわててひっつかんだが、ちょうどこの頃一軒の屋敷の、一つの部屋で一人の武士が誰にともなく話しかけている。

二

「みんなお前が悪いのだ。俺は怨む、お前を怨む。またある意味では憐れんでもいる。……嫉妬! そうだ、その嫉妬が、一切お前を眩ませたのだ。そのくせどうだ、お前自身は? 好色そのもののような生活だったではないか! 俺は随分我慢した。最後まで我慢したといってもいい。そうしていまだに我慢している。……永い間の受難だった。いや、いまだに受難なのだ。俺ばかりではない。娘もだ! それをさえお前は餌にした。嫉妬の餌に! お前の嫉妬! ……だが俺は守って来た、お前の意志を守って来た! もちろん素晴らしい財産の、継承のためには相違ないが、それより一層俺としては、娘の幸福を願ったからだ。というとお前はいうかもしれない、『その娘が!』