Classici giapponesi con furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate
でも俄然「わーッ」という声が、門口に群れている藤兵衛の乾児――捕吏たちの間から湧き起こり、つづいて蜘蛛の子を散らすように、四方へ逃げ出したという意外な出来事が、惹起されたではありませんか。
「重助、行こう、さあこの隙に!」
国臣様が走り出しましたので、わたしもついて走りました。
しかし千木のある建物の、その門口まで走りついた時には、わたしも国臣様も「あッ」と叫び、思わず足を止めてしまいました。
肩からぎ取られた男の片腕が、まだ血を※(「てへん+宛」、第3水準1-84-80)げ口から吐きながら、土間にころがっているからです。
「怯けるな、行け!」
と国臣様が叫び、はじめてお腰の刀を抜かれ、左の袖で蔽うようにされ、上がり框からすぐに二階へ、ゆるい勾配につづいている広い階段を、飛ぶようにお駈け上がりなさいましたので、夢中でわたしも駈け上がりました。階段をあがりきった時でした、笑うとも嘲けるともたしなめるとも、どうともとれるような不思議な気味の悪い、鬼気を帯びた嗄れた女の声で、
「まだ懲りぬか! ここへ来てはならぬ!」
と、そういうのが聞こえて参りましたが、つづいて何かが投げつけられました。