Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふのまぼろしへいだんいん

恐怖の幻兵団員

大倉 燁子

Leggi 恐怖の幻兵団員 (きょうふのまぼろしへいだんいん) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.784 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

「私に御相談をされましたことは、当分の間、どなたにも秘密にしておいた方がいいだろうと思います」

「探し出されて、やっと父の危篤に間に合ったというよりも、自分から看護に帰って来たという風にした方がよろしいでしょうね。それでないと一雄がつまらぬ誤解を受けて可哀想だと思いますのよ。いつも一雄と比較されては褒め者になっている弟はこのところ、二日も三日、徹夜で附ききっておりますの。兄さまと二人分お父様のお世話をするんだと私には申しておられますが、それだけに総領の一雄の不行届きが目に立ってね、六日も、七日も、まあ、どこをうろついていることでしょうか、父の重態は新聞にも出ているので、知っていそうなものですのに、情けなくなってしまいますわ」

「あなたにはお心あたりがありませんか?」

「こんどというこんどは全くわかりませんの」

「と、仰しゃると、前にも家を開けられたことがあるんですか?」

「幾晩もつづけて開けるということはありませんが、時々行く先も云わずに、ふらりと夕方から出かけて、翌朝ぼんやりと帰って来るようなことが一二度ありました」

「帰って来られてからも、どこへ行かれたのかお話しにならないのですか?」