Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
2
敬二郎の胸は嵐のように騒ぎだした。
(正勝の奴はこのおれから、紀久ちゃんを奪ろうとしているのじゃないのかな?)
そんな風に敬二郎は考えたのだった。
(そして同時に、この森谷家の財産を、つまりおれの財産を、正勝の奴はおれから奪ろうとしているのじゃないのか?)
敬二郎は身内に、鋭い銀線の駆け巡るような衝撃を感じた。
(正勝の奴と紀久ちゃんとは兄妹のようにして育ったのだし、子供の時分にはおれのほうより正勝の奴を紀久ちゃんは好きだったのだから……)
そこへ、電報配達夫が凍りついてコンクリートのようになっている凸凹の道を、自転車で寄ってきた。
「正勝さんはいますか?」
電報配達夫は自転車から飛び下りながら言った。
「電報か?」
敬二郎は目を瞠りながら言った。
(正勝の奴へ? 正勝の奴へいったい、どこから電報など来るところがあるのだろう?)
敬二郎の軽い驚きの中には、嫉妬の気持ちさえ加わってきていた。
「正勝さんへ来たんですがね」
電報配達夫は、それでも小さな赤革の鞄の中から電報を取り出した。
「だれのでもいい、貰っておこう。正勝は放牧場のほうへ行っているから」