Classici giapponesi con furigana
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きょうりゅうとう
恐竜島
海野 十三
Leggi 恐竜島 (きょうりゅうとう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.662 caratteri · 199 schermate
缶詰も、穴があいて浮んでいたのだ。しかし腹のへりすぎた玉太郎には、そんなことはすこしも苦にならなかった。
「もっとたべていいよ。そのうちには、どこかの船に行きあって、助けられるだろうから」
「もう十分たべました」
ポチは、まだ缶の中に頭をつっこんだきりである。尻尾がいそがしそうにゆれている、がつがつたべているのだ。
「十分に腹をこしらえておいた方がいいよ。これから一荒れ来るからねえ」ラツールが空を見上げた。玉太郎もそれについてあおむいた。
さっきの黒雲は、いつの間にか、翼を大きくひろげていた。南西の方向は、雲と海面との境界線が見えない。すっかり黒くぬりつぶされている。すうーっと日がかげった。黒雲はもう頭の上まで来ているのだ。
突風が、帆をゆすぶった。帆柱がぎいぎいと悲鳴をあげた。
筏は急にゆれはじめた。波頭がのこぎりの歯のようにたってきた。
ぽつ、ぽつ、ぽつ。大粒の雨が、玉太郎の頬をうった。と思うまもなく、車軸を流すような豪雨となった。
太い雨だ。滝つぼの下にいるようだ。あたりはまっくらに閉じこめられて、十メートル位から先の方はまったく見えなくなった。