Classici giapponesi con furigana
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うらみなきさつじん
恨なき殺人
宮島 資夫
Leggi 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) di 宮島 資夫 (みやじますけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.611 caratteri · 56 schermate
けれども、何も向うの坑夫だって、自分の持ってる山でもないのに、一寸見たって、怒って喧嘩するにゃあ当らないんだ。あんな事で喧嘩して、友子を一人懲役にやったって、鉱主から褒美が貰える訳でもないのに、みんな悪いんだよ。一体山と山の坑夫が意地っ張りっこをするなんて言うのが間違ってるんだ」
「だってお前さん、昔から隣山同志は、立会の時だって、意地の張りっこをするに定ったもんでさ」
「だって君達のいる山の鉱石を掘り切って、鉱主がウンと金をこさえたら坑夫にどうしてくれるんだい。矢張り浪人すりゃ友子の間を一宿一飯で歩かなきゃならないじゃないか」
「其処がしきたりと人情で、矢張り自分のいる山の肩を持つんでさ」
「君達はしきたりや人情にだまされているんだ。仲間同志、他人のために喧嘩するなんて、何が人情なもんか」
池田が語気を荒くしたので、二人はそれきり黙ってしまった。
村境いの峠の上に登った時、
「あすこが水戸だ、お前は明日はあすこへ送られるんだ」と、萩野は遠く東の方を指した。
山かげはすでに夕暮れらしい風が吹いていたが、広い平野の上には、まだ夕陽が黄色く輝いていた。
「水戸に監獄があるんですかね」