Classici giapponesi con furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Leggi 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.705 caratteri · 28 schermate
此時、葭簀の陰で、不意に女の泣声がした。喫驚して見ると、それはお玉。
「まアお玉さん、聴いていたかい。まア能く三人で相談を仕直すから、こちらへお出で」と、嬶さんが云うのも肯かず、そのまま走り出した。
「や、飛んだ事になったね。早く行って留めなければ身を投げて死ぬかも知れないね」と半丘も顔色を変えた。
「なに、泳ぎが出来るから、身は投げませんよ。投げても浮いて死なれやアしません」
これは道理だ。
九
一水舎半丘の報告は、どの位琴之丞をして失望せしめたか分らなかった。病気は益々悪くなって来た。六浦家の後室始め、一門の心配は一通りではなくなった。
「どうも半丘宗匠の取調べが物足りねえ様に私は考えます。なる程お玉という娘の父親は竜神松五郎という海賊かも知れませんが、そんな奴には種々又魂胆がありまして、人の知らねえ機関も御座いますから、再調べの役目を私奴にお云附け下せえまし」と中間市助が願い出た。
「なる程、それはそうだ。ではも一度調べて見てくれないか」
こいつも運動費をウンと貰って、飛出して行った。他へは行こう筈がない。矢張弁天社内の茶店であった。
「おや入らッしゃいまし。