Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せきべつ
惜別
Leggi 惜別 (せきべつ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.984 caratteri · 178 schermate
蟋蟀一対には註が附いていて、「原配、すなわち、生涯同棲していたものに限る」とあった。昆虫も貞節でなければものの役には立たぬと見えて、後妻を娶ったり再嫁したやつは、薬になる資格さえ無いというわけである。けれども、それを捜すのに、自分はそんなに骨を折らなくてすんだ。自分の家の裏庭は百草園と呼ばれて、雑草の生い繁った非常に広大な庭で、自分の幼少の頃の楽園であったが、そこへ行けば、蟋蟀の穴がいくつでも見つかり、自分は同じ穴に二匹棲んでいる蟋蟀を勝手に所謂「原配」ときめて、二匹一緒に糸でしばって、生きているのをそのまま薬鑵の熱湯に投げ込めばそれでよかった。しかし「平地木十株」というのには、ひどくまごついた。それがどんなものだか、誰も知らなかったのだ。薬店に聞いても、お百姓に聞いても、薬草取りに聞いても、年寄りに聞いても、読書人に聞いても、大工に聞いても、みな一様に頭を振るだけであった。最後に、祖父の弟で昔から植木の好きな老人のことを思い出し、そこへ行って尋ねてみたら、さすがに彼だけは知っていた。それは、山中の樹の下に生える一種のひょろひょろした樹で小さな珊瑚珠みたいな紅い実がなる、普通みな「老弗大」