Classici giapponesi con furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate
夜もよく眠れないし、食慾もだんだんに衰えて行き、その癖に、かかり付けの医者が診たところではどこにも変ったところがなく、従ってどういう療法をとっていいか分らずに、一日々々、身体を悪くして行く、そういうような症状なのだった。
「でもね、見たところでは、ちっとも病気のようには見えませんわ」
「そうかも知らん。医者が診ても、どこにも病源なんかありそうもないっていうんだからナ」
「あなたが、あんまり研究の方に御熱心なので、そのお疲れが出たんじゃアないでしょうか」
「そうさ。私もそんなことを思っているんだが、何しろ研究室へ行くと、いろいろの毒瓦斯なんかも吸わなくちゃならぬし、その影響が現れて来たのかも知れない。じっとこうして家で静養しているうちには、じきに癒ってしまうだろう」
「ええええ、そうでしょうとも。学校のことなんかすっかり忘れてしまって、一月でも二月でも、暢んびりしていた方がいいのですわ」
博士夫妻が、こういう風にいっているのを、伯太郎は傍で聞いていたこともある。その時彼は、例のお薬のことを思い出して、よっぽど口を出そうかと思ったけれど、それをいえば、ママちゃんのお部屋の立聴きの一件が知れるので、わざと何んにもいわずに置いた。