Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

六

そうだ、一昨日は自分がここに来ていたし――。

「待って下さいよ」と沖野はいった。「そういえば一昨日僕はここへ来て午後中一杯いたんですがね、そうでしたよ、あの時にも扉がひょいと開いてしまいましてね」

「ほう、それでどうしました?」

「どうもしやアしませんが、竹中が急いでそれを閉めましたっけ。そして、把手の工合が悪くって困るとかいいましたっけ」

「一昨日ですね?」

「ええ、一昨日です。一昨日の昼間そういうことがあって。それから夜になって猫が研究室へ這入って行った――」

六

だから、分りきっているではありませんか、と口にこそ出さね、沖野は内心得意であったが、次の瞬間彼はぶるっと身を顫わしたのである。この時俵弁護士が、何故か非常に意味あり気な笑を、その小鼻の辺に刻んだのだった。

俵弁護士は突然席を離れて、先刻から写真帳を眺めていた紳士の傍へ行き、何かひそひそと囁いた。そして再び沖野の真向いに坐った。

「失礼しました。いえ、ふいに思い付いたことがあったのです。――が、ところで沖野さん、あそこにおられるのは、実は警察の方なんでしてね、今、気になったものだから伺って見ると、実に妙なことをいうんです。