Classici giapponesi con furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate
このしーんとした家の中で漆戸のことだけを思い出していたい。でも、耐まらなく淋しくなって来るのですもの。
最賀さんも、漆戸がいなくなった家に、いつまでもいられないといって、四谷の方のアパートへ移ってしまい、佐治さんは、無論、参りません。
漆戸には、遠い親戚が、それも、数えるほどしかなかったので、その人達もあまり見えず、また見えたにしたところで、それは漆戸家の財産目あて、何かうまい形見分けにでも有りつこうという考えばかりで。
そうした人々の浅間しさを見ると、喬子、もう、死にたくなります。
お兄様は、どうしてお便りを下さらないのでしょう。お兄様が、私の只一人の力頼みなのに、あれからもう一週間、喬子は、世界中にポツンと一人きりでいます。
お身体の工合でも悪いのでしょうか。
お便り、下さいましネ。
(妹より兄へ)
昨日、新聞で見ると、お兄様の行っていらっしゃる温泉場の附近が大変な雪で、汽車など不通になったと出ていました。
まさかとは思うけれど、お変りはないのでしょうね。また五日も喬子は、ボンヤリと漆戸のことやお兄様のことばかり、考えて過ごしたのですもの。この前の手紙で言落しましたけれど、佐治さんについてはその後、まだ取調べが終らないそうです。