Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こきょう

故郷

太宰 治

Leggi 故郷 (こきょう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.843 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

私たち親子三人、ゆるしも無く、のこのこ乗り込んで、――」

「そんな心配は要らないでしょう。英治さん(次兄の名)だって、あなたにすぐ来いって速達を出したそうじゃないの。」

「それは、いつですか? 僕たちは見ませんでしたよ。」

「おや。私たちは、また、その速達を見て、おいでになったものとばかり、――」

「そいつあ、まずかったな。行きちがいになったのですね。そいつあ、まずい。妙に北さんが出しゃばったみたいな形になっちゃった。」なんだか、すっかりわかったような気がした。運が悪いと思った。

「まずい事は無いでしょう。一日でも早く、駈けつけたほうがいいんですもの。」

けれども、私は、しょげてしまった。わざわざ私たちを、商売を投げて連れて来て下さった北さんにも気の毒であった。ちゃんと、いい時期に知らせてあげるのに、なあ、という兄たちのくやしさもわかるし、どうにも具合いの悪い事だと思った。

先刻、駅へ迎えに来ていた若い娘さんが、部屋へはいって来て、笑いながら私にお辞儀をした。また失敗だったのだ。こんどは用心しすぎて失敗したのである。全然、女中さんではなかった。一ばん上の姉の子だった。