Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しゃよう

斜陽

太宰 治

Leggi 斜陽 (しゃよう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.822 caratteri · 176 schermate

Aozora Bunko

明日また、まいります。看護婦をひとり置いて行きますから、使ってみて下さい」

と老先生は、病床のお母さまに向って大きな声で言い、それから直治に眼くばせして立ち上った。

直治ひとり、先生とお供の看護婦さんを送って行って、やがて帰って来た直治の顔を見ると、それは泣きたいのを怺えている顔だった。

私たちは、そっと病室から出て、食堂へ行った。

「だめなの? そうでしょう?」

「つまらねえ」

と直治は口をゆがめて笑って、

「衰弱が、ばかに急激にやって来たらしいんだ。今、明日も、わからねえと言っていやがった」

と言っているうちに直治の眼から涙があふれて出た。

「ほうぼうへ、電報を打たなくてもいいかしら」

私はかえって、しんと落ちついて言った。

「それは、叔父さんにも相談したが、叔父さんは、いまはそんな人集めの出来る時代では無いと言っていた。来ていただいても、こんな狭い家では、かえって失礼だし、この近くには、ろくな宿もないし、長岡の温泉にだって、二部屋も三部屋も予約は出来ない、つまり、僕たちはもう貧乏で、そんなお偉らがたを呼び寄せる力が無えってわけなんだ。叔父さんは、すぐあとで来る筈だが、でも、あいつは、昔からケチで、頼みにも何もなりゃしねえ。