Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate
夜来、須賀口の遊びの出先から、帰城の使者を認めてそれを追いかけ、城中の一室に来てじっと坐り詰めたまま、主君信長の気もちと一つに、三河との和戦はいずれにきまったかを、固唾をのんで待っていた――前田犬千代、池田勝三郎、佐脇藤八郎、そのほかの若侍の面々の中に、ゆうべの聟殿の藤吉郎も、勿論交じっていた。
「欣び召され」
佐脇藤八郎は、小姓組なので、君側でのはなしを、逸早く誰かに聞いて来て、
「……云々じゃ」
と、一同へ告げた。
「きまったか」
およそはこうと予期されていたことではあったが、決定と分ると、誰の眉にも、一層な明るさと、前途への意気が盈ちて見えた。
「……これで戦える!」
誰かつぶやいた。
家中の気もちは、戦いが遁れられるという意味で、三河との同盟を礼讃しているのではなかった。べつな敵へ、全力を向けて戦うことができるために、背後の一国、三河との提結を、心から受けいれたのであった。
「よかったなあ」
「御武運のよさ」
「三河のためにもだ」
「まず、めでたい」
刻々と、方向のうごいてゆく時勢に対して、敏感に喜憂を先にするのは、何といっても、こうした若い人々の仲間だった。