Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

寧子はそれへ来ると、水仕業していた腰袴を急いで取りはずし、端へ坐って、

「――お帰りあそばしませ」

と、指をつかえて出迎えた。それを見て、他の者もあわてて、

「お戻りなされませ」

と、一度に揃って頭を下げたが、勿論、又右衛門夫婦だけはべつである。この場を眺めに出たようなものだった。

「うむ」

寧子へ向って、また一同の頭に対して、藤吉郎は一つうなずいた。そして箱段を上がってずっとはいると、こんどは自身から舅姑の前へ慇懃に辞儀をして、

「ただ今戻りました。――今日はお城にも何事もなく、御主君にも終日、ごきげんよくわたらせられました」

といった。

実は舅の又右衛門、夜来から苦りきッていたところなのだった。縁者のてまえ、また、寧子の身にもなって見よ、と云い放ちたいくらいな心中だった。のめのめと戻って来たら、客には不体裁でも、頭から一喝は怺えきれまいと、自分でも覚悟していた程だったが、帰って来た顔を見ると、何の屈託もない明るさで、しかも自分までを玄関へ出迎えさせた。

(腹も立たない)

と、呆れ顔から吐息をもらしていると、まず第一の挨拶が、きょう一日のお城の無事と、主君の消息を告げることであったので、律儀な又右衛門は、それに対して、