Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate
莚の上や、石や材木を席にして、一同を腰かけさせた。そして藤吉郎は、職人たちの真ん中に腰をかけ、杯を挙げながら、
「さて。何もないが、これから三日間。――といっても、はや一日は過ぎたが、無理な仕事をしてもらわねばならんで、今夕だけは、一杯飲んで、存分、体を休めてくれい」
朝の彼とは、別人のように、まず自分から悠長に一杯飲んで、範を示した。
組々の者へ、酒の銚子や、肴なども配って、
「さあ、心おきなく飲んでくれい。酒のきらいな者は、肴でも、甘い物でも」
と、すすめた。
職人たちは、単純に感激した。しかし、奉行の藤吉郎のほうが、先にいい機嫌になってしまいそうなので、三日目の完成を、彼らが、かえって心配しだした。
けれど藤吉郎は、誰よりも、上機嫌で、
「酒は、充分にあるぞ。しかもお上の酒だ。いくら飲んでもお酒倉にあるほどは飲みきれまいが。――飲んだら、踊るもよし、唄うもよし、寝るもよしじゃ。懸り太鼓の鳴るまでは」
といった。
職人たちは、すぐ不平を宥められた。
労役から解かれた上、思いがけない酒肴に出合い、奉行自身も寛いで、自分たちの仲間にまじって、飲みもし、食いもし、話もするので、すっかり欣しくなってしまった。