Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate

Aozora Bunko

さきに、ただ一名の若者を応対に出して、甚だ不愛想な上杉方の態度であると、秀吉に不満を洩らした木村秀俊も、

(これは……)

と、その鄭重さに、眼をみはって、恥じ入った。

景勝は、早くも秀吉の姿をみとめ、足早に歩み寄って、

「やあ。ようぞ遠くを。――景勝です。ごあいさつは、後として、いざ、いぶせき田舎城ながら」

と、自身、秀吉の馬の口輪を取った。

「おう。春日山殿よな」

秀吉は急いで、馬の鞍から降りかけたが、景勝は、莞爾として、振り仰ぎながら、

「いや、そのままそのまま」

と、馬の口輪を取ったまま、糸魚川の町並木を通り、城門の内まで迎え入れた。

秀吉の訪れも、実に無造作な突然であったが、景勝の迎え方も、虚飾のない率直さであった。

けれど、城内各室は、客の来る間に、清々と掃き清められ、庭には水を打ち、暮るれば燈籠に灯がはいり、武器や防禦設備はことごとく隠されて、

「まことに、田舎料理ですが」

といって出た饗膳にも、裏日本の味ともいえる魚介の新鮮や山野の菜根が、ゆかしく調理されていた。

「こんどの御出馬は、北陸山脈の嶮に跨がり、陣中、御難儀も多かったでしょうに、お疲れのていもなくて」