Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
菊亭右大臣晴季は、政治家肌の公卿だった。
朝廷のかたちはあるが、ここには武力も、物財もない。あるのは、精神的な尊崇の象徴だけである。
実際の力も物もない、その尊厳を、守るためだけに、無数の雲上人は、衣冠を正し、位階勲職の古制度だけをやかましく詮議していた。
この宿命的な無能の仲間にあって、いささかでも、時勢に関心をもち、多少の野望でも抱くとすれば、当然、武門の武と権と財とに結びつかなければ、何もできない。
「菊亭どのは策士じゃよ」
かれがこういわれるのも、それに起因していた。
朝に呉将を送り、夕べに越将を迎うるの媚態を――遊女のように、これ努めて、貧しき朝廷生活をうるおし、弱き雲上の存在をたもち、そして、武田、上杉、織田、明智、羽柴――と、上洛者のたれかれを問わず、これを奏聞に達して、それらの武門が望む叙爵栄職の名を聴許し、武家の音物や黄白を収入とするのが、ともあれ、この人々の唯一な生きる道ではあった。
ひとり菊亭晴季だけではない。遠く、藤原氏の凋落期を境として、武門独裁の世となってからは、朝臣の策士はみな似たり寄ったりな者だった。それらのうちでも、菊亭晴季は、武門の棟梁と取引するにしても、なかなか人を喰ったところがあり、徒らに、安目は売らず、充分、朝廷のためにも、私腹のためにも、利を収めて、しかも威厳