Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.320 caratteri · 398 schermate
いずれにせよ、兵力において、すでに毛利方は、半分に足るまい。
加うるに、士気の問題だ。
いかんせん山陰山陽とも敗軍をつづけているばかりか、信長を孤立せしむべく計ったあらゆる紐帯の要所要所はことごとく彼のために破砕されてしまったかたちである。
しかもなお隆景が、
「むざとは」
と、心中に恃んでいるものは、ただひとつ、元就精神ともよぶべきものがまだ中国武士にはあることだった。
毛利元就が、本国安芸の吉田山に城を築いたとき、
――人柱は要らず、魂柱こそ要るなれ。
といって、土台深くに「百万一心」と刻んだ巨石を埋めたことがある。このことは元就在世中からたえず藩士のたましいへ家訓としてうち込まれていたものである。
ああ、それが今、この中国の興亡のわかれ目に来て、どれほどなものをいうか、光をあらわすか、試さるる秋とはなった。
事実、智者といわれる隆景も、今日ではもう策もなかった。滔々たる中央織田の大軍と秀吉の指揮に対して、
「所詮、小策などは無益」
と、観念していた。
最善をつくし、必死で当る。
それしかなかった。また、どうしても防戦防禦を専らとするしか方針も立たなかった。