Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.320 caratteri · 398 schermate
その道にかけては、多年、天蔵自身こそ本職であるから、いま一見すると、
(これは自分の勘ちがいであった)
と感じ、すぐ疑心を訂正していた。
で、それを官兵衛にも気づかせるように至極気らくに、
「さあ、入るがいい。その方もこの宿で入湯中のものか」
「いえ、伊丹の御城下におりまする銀屋新七という者でございます」
「なに、伊丹の者?」
「はい。釵や小金具などの、金銀の細工物をしておりますので」
「ふム……。して何ぞ、この方たちへ、細工物でも誂えてくれとでも申すのか」
「それもございますが」
と、軽く笑って、宿の召使へ、そっと包みらしいものを与えていた。そして耳のそばへ口をよせながら、
「お頼みだよ。いいかね」
とささやいた。
手代はうなずいて、すぐ立ち去った。いよいよ解せない町人と、官兵衛はにらまえていたが、銀屋新七というその男には、少しも暗さが見えなかった。
「さあ、これでいい。どうぞお両方も御安心くださいまし。もう人目はございませんから」
「いったい、そちは何者だ」
「さきほども申しあげました――伊丹の新七と申しまする」
「うそであろう」
「どうしてですか」
「そちのような町人に、何の縁故もない」