Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
三日月
そして、主君勝久、そのほかの面々と評議の後、
「せっかくのおことばながら、この籠城に疲れた小勢をもっては、到底、城中から討って出て、お味方の陣地へ合するなど思いもよりません。――所詮は、他に万全の策を求むるよりほかござりませぬ。何とぞわれらのことは、御懸念なく、お引き払いあるよう、筑前どのへ、お伝えたまわりたい」
と亀井重茲に、返辞を託した。
使いを返すと、鹿之介は、
「一時の恥は忍んでも」
と、ひそかに、書面をしたためて、寄手の総大将毛利輝元へ宛てて降伏状を書いた。べつに吉川、小早川の二将に対しても、その執りなし方を依頼した。
主人勝久の助命と、城兵七百の命乞いであったことはいうまでもない。
けれど吉川、小早川の両川は、鹿之介が再三の詫入れもきかず、飽くまで、
「開城と共に、勝久の首を」
と追求した。
最後には、
「降を乞いながら、憐愍を仰ぐなど、贅沢な云い分。否やあれば、七百の城兵もろとも、屠り尽すまでのこと」
と、断乎たる拒否だった。
鹿之介は、悲涙をのんで、勝久の前にひれ伏した。
「この上は、臣らの力も及びませぬ。……あわれ、お頼り効いもない家来をおもち遊ばしたのが御不運でした。