Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
いのち
城内にも一すじの内濠があったが、そこは溝渠のような幅しかない。累々と重なりあう死骸の血が、そこの水まで紅くした。
「信忠卿のお首こそ」
「信忠どのを」
と、ここでもそれを合言葉にしつつ、すでに構えの奥近く迫った明智の将士は、建物へ火を投げてその煙の下を突き進み、或いは、火の中から出て来る者を待ってこれを討った。
いのち
信忠は奮戦した。信長の子らしく最後の最後まで戦った。すでに守る一門を破られても、なお血けむりの下を退かなかった。
けれど、福富平左衛門、野々村三十郎、赤座七郎右衛門、篠川兵庫など、みな彼の楯となっては殪れて行った。
「今は」
と、彼も死所を心がけた。
ふり向くと、館の建物は黒けむりにつつまれている。それへ向って、彼が驀しぐらに駈けるのを見ると、団平八、桜木伝七、服部小藤太なども、あとを慕った。
そのほか、遠方此方にいた水野九蔵とか、山口半四郎とか、逆川甚五郎とか、小姓衆や侍たちも、みな煙の内へかくれこんだ。
「玄以、まだいたか」
信忠は、館の中まで従いて来た前田玄以のすがたを認めると、こう叱った。烈しい声で、彼がここに留まっているのをなじった。