Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
同様、二ノ木戸にある者、浅野弥兵衛長政。
若葉の夕闇に、ここかしこ、陣屋の炊煙が上がっていた。どんな幽邃な寺院も、ひとたび軍馬の営となると、そこは忽ち旺盛な日常生活の厨房や馬糞のぬかるみになった。
「おいよ。馬を取れ」
山門の前で秀吉は降りた。藤堂与右衛門高虎、ことし二十七である。走り寄って、
「いただきます」
と、手綱をうけて、厩の方へ曳いてゆく。
秀吉はなお、雑士たちのあいだをぶらぶら歩いて、
「おいよ」
と、また声をかけた。
四、五人の兵が炊事用の薪を伐っていたのである。そのなかに桜の木もあった。秀吉はそれをさしていうのだった。
「なるべく、雑木を捜して伐れよ。桜は伐るな。花見する日の百姓がさびしかろうて――」
それから門側の一柳市助の陣屋をちょっと覗いて、炊事番が何か煮ている大釜のにおいを嗅ぐと、
「うまそうだな」
と、左右の部将とともに笑い、この頃はまずいという物は知らなくなったなどと語りながら出て行ったが、ふと、右側の陣幕のすそに屈まっているいとも小さい幼な武者を見かけて、
「この童は、たれの子か」
と、訊ねた。
一柳市助が、恐縮顔に答えた。
「私のいちばん末の弟です」