Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
――と。秀吉はむずむずとからだをうごかし出した。坐り直したのである。そしてすこし力むような顔して大きく唇をむすんだかと思うと、ふいに、
「おういッ。誰か来いッ」
と、遠い小姓部屋へ呶鳴った。
天井をつきぬくようなその声には、日ごろ胆太い蜂須賀彦右衛門も堀秀政もとび上がるほどびっくりした。第一、その秀吉も共々涙のそこに沈んで、身も世もなく泣きぬれていた態だったので、よけいに胆をつぶされたのもむりではなかった。
「はあいッ」
返辞と共に、小姓部屋から元気のいい跫音が飛んで来る様子である。その跫音と、秀吉の声のために、秀政も、正勝も、とたんに悲嘆をふき飛ばされてしまった。
「――お召しですか」
「参ったのは誰だ」
「石田佐吉でございます」
答えながらなりの小さい佐吉は、次の間のふすまの陰からもっと進んで、畳のまん中まで出て隣室の一燈へ向って手をつかえ直した。
「佐吉か。よかろう、おまえでもよかろう」
「はい」
「官兵衛孝高の陣屋まで一と走り行って来い。官兵衛にちと、話があるから、寝る前に、顔を見せい、と申せばよい」
「それだけでよろしゅうございますか」
「それだけでよい。