Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate

Aozora Bunko

「あちらへの義理合などは、決してございません。薬種をお納めいたしたのも、数回はございますが、日幡家の老職、竹井惣左衛門様と、てまえどもの養家の先代が少々の縁故がございましたためで、てまえ自身も日幡景親様へは、直接お目にかかったこともない程度でございますから」

弥九郎はなお、この話題こそ、相手の人が自分をここへ招いた重点と覚ったので、ことばの不足を云い加えて、

「――むしろ、てまえどもといたしましては、御当家こそ、ずいぶん前々からの大切なお出入り先と心得ておりまする。殿にはもうお忘れかもしれませんが、いちばん初めにお目にかかりましたのは、もう十三、四年も前、たしか信長様が、初めて堺へ兵をお入れ遊ばした年で――わたくしもまだ堺の生家小西屋におり、年も十二、三歳の頃でございました」

「そうそう。そちはなかなかきびきびした小僧であった」

「殿が、小西屋の店へお立ち寄りくださいまして、店頭で遊んでいた私の頭を撫で。――この小蛙は人怯じせぬ面がまえしておるわ。どうだ、侍にならんか。――そう仰っしゃって下すったことを、ただ今でもよく覚えておりまする」

思い出を語られると、秀吉もつりこまれて、懐かしそうに笑った。