Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate

Aozora Bunko

「そうか、あの時、そんなことを申したかなあ」

「子ども心に沁みたことは、妙にいつまでも、忘れないもので」

弥九郎は、ぽつんと、ことばを切って、黙った。

横道へ逸れた話を、後へ戻して、秀吉から質問をうけたことについて、答を胸の中で纒めているらしい。

やがてまた口を開いた。

「日幡の城の内情について、聞き及んでいる要点のみ申しあげます。ただし多くは人の風評、真偽は御賢慮をもってお判じ下さい」

「む、む」

「ひと口に申せば、日幡城の内輪は、うまく一致していないそうです。主将たる景親殿と、軍監の元祐殿と、いつも命令二途より出て、たがいに固執し、論議するといったような場合が多く、老職の竹井惣左衛門様も、ほとほと、困ったものと、てまえ如き者にまで、嘆息を見せられたことがありました」

「上原元祐の妻も、日幡の城内に住んでおると聞いておるが」

「あの奥方は、さすがに毛利元就様の血をうけ、御妾腹から出たお方ではありますが、賢夫人であると、評判のよいお人です」

「良人の元祐の人物は」

「これは、とるに足らないお人ではないかと思われます。自分の妻が元就公のむすめだということを鼻にかけて、何事につけても、格式ばかりやかましくいう。