Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate

Aozora Bunko

「じゃあどうしてつけて来た、いったいどうしようというんだ」

「むしろ……拙者はむしろ」八十吉はひどく思い詰めたようすで、ひたと秀之進を見あげながらいった、「この自分をどうにか片付けてしまいたいと思っているんです、どうにでもいい、さっぱりと解決をつけたいんです、江戸からずっとそう考えながら此処まで来ました」

「ちょっと待て」

秀之進は丘の上へはせ戻った。

「おい、こっちへ来たまえ」

丘の上へいって、道の上を見まわしてからふりかえって秀之進が叫んだ。新島はすぐにきた。秀之進はきっと相手を見て云った。

「君は病気だ、肉躰の病気じゃない心の病気だ、おれを斬る気持はないが、申付かった役目を投げだすこともできない、どうしたらいいか自分に決心がつかないで、なにかしら偶発的な出来事が、解決してくれるだろうと待っている……そういう状態がどんな原因からきたものか知らないし、また知りたいとは思わないが、しかしそれは君の心が病んでいるからなんだ、事実は偶発的な出来事をさえ恐れている、その証拠には、君はさっきおれが呼びかけたとき反射的に自分を護ろうとした、……江戸へ帰りたまえ」

「むしろ拙者を伴れていって下さいませんか」