Classici giapponesi con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate
二
秀之進はすっと立って松林を出ていった。道の向うへ、足早に去ってゆく八十吉のうしろ姿が見える。
「追いかけよう」大助が走ってゆこうとした。
「だめだよ、捉えたって手向いをしなければそれまでだ」
「そんなことを云っていたらきまりをつけるときはないだろう」
「そう焦ってもしようがないさ」秀之進はこう云って元の道へと戻っていった。
二
茅野の駅へはいると、二人は通りがかりの宿へ昼食をとりに上った。もう時刻が過ぎて空腹でもあったし、跟けて来る者のようすも見たかった。それで草鞋を脱いで上り、風呂があるというのを幸いいっしょに汗を流した。
「さっき早水さんの云った、神社が超理論で存在するという点だけれど、超理論というと蒙昧という意味になりはしないかね」
「宗教というやつは元もと蒙昧なものじゃないのか」裸になると驚くほど逞しい肉付の、広い胸を平手で擦りながら、秀之進は悠くりとこう云った、「……仏教の経典を読んでも、よくは知らないが切支丹の聖書というのを覗いてみても、道徳律以外は奇蹟と安心立命の保証に充満している、詰り現実の汚穢と苦悩と悪徳、それに死の恐怖というもの、人間の力でうち克つことの困難な、苛烈な現実から救いを求めるところに宗教の起源はあると思う、だからその国土の自然的条件に恵まれないところ、社会状態が持久的に安定しない処では