Classici giapponesi con furigana
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ほしのくんのにるいだ
新版・星野くんの二塁打
吉田 甲子太郎
Leggi 新版・星野くんの二塁打 (ほしのくんのにるいだ) di 吉田 甲子太郎 (よしだきねたろう) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 10.945 caratteri · 22 schermate
六
光吉が、父のイハイをおさめた仏壇に向かってお話のけいこをしていると、母が帰ってきてニコニコしながらそれを聞いていることなどもあった。
母と子は、暮れの一週間を、こうして力をあわせて働いた。
おおみそかの日、夕食のすぐあとで、母は光吉に手ぬぐいとシャボンと金とをわたした。
「床屋へいってらっしゃい。帰りにおふろへよってくるんですよ。」
「床屋なんか――。」
「いいからいっていらっしゃい。あしたはおまえにはだいじな日ではありませんか。」
光吉は、だいどころでお正月のごちそうがにえているにおいをかぎながら出かけていった。
六
「さァ、もうお正月ですよ。光吉。」
母の声に光吉は、ムックリおきあがって寝どこの上にすわった。キラリとかれの目にとびこんできたものがあった。とこのわきにキチンとたたんでおいてある新しい洋服の金ボタンの光りだった。
見あげると、母がかっぽう着のすがたで、にこやかにかれを見おろしている。
かれは洋服と母の顔を見くらべた。
「着てごらん。」
だが光吉はすぐには手がだせなかった。
「おぞうにがこげてしまうよ。早くしないと――。」
「はい。」と返事をして立ちあがると、光吉は手早くその新しい洋服を着た。