Classici giapponesi con furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate
わしの小判は、重箱の蓋の裏についていたのです。行燈の傍に落ちていた金は、どなたかの情の一両にきまっています。その一両を、このわしに押しつけるとは、まるですじみちが立っていません。そんなにわしが金を欲しがっていると思召さるか。貧者には貧者の意地があります。くどく言うようだけれども、十両持っているのさえ、わしは心苦しく、世の中がいやになっていた折も折、さらに一両を押しつけられるとは、天道さまにも見放されたか、わしの武運もこれまで、腹かき切ってもこの恥は雪がなければならぬ。わしは酒飲みの馬鹿ですが、御一同にだまされて、金が子を産んだと、やにさがるほど耄碌はしていません。さあ、この一両、お出しになった方は、あっさりと収めて下さい。」もともと、おそろしい顔の男であるから、坐り直して本気にものを言い出せば、なかなか凄い。一座の者は頸をすくめて、何も言わない。
「さあ、申し出て下さい。そのお方は、情の深い立派なお方だ。わしは一生その人の従僕になってもよい。一文の金でも惜しいこの大みそかに、よくぞ一両、そしらぬ振りして行燈の傍に落し、短慶どのの危急を救って下された。