Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
そして、突然右隣りにいた画家の佐佐の方へ身を捻じ向けて訊ねた。
「あなたはどうでしたか、僕は、外国の旅というものは、自分の中にどういう不潔なものや病根があるのか、検出しに歩いているようなものだと思ったんですが、つまり何んというか、隅隅から自分を照し出してみる、まア、レントゲン反応で自分を検出しているみたいなものじゃないか、と感じたんだが。」
「あそこは石みたいなものだからなア。」と佐佐は、例の鋭い眼に一寸微笑を泛べたきりだった。
「それも外国の石でね。」
「僕は帰ってから蓮の画ばかり描いてるんですよ。」佐佐はそのとき急に黙って沖の方を指差した。
沖に碇泊していた東野らの船が徐徐に動き出して来たのだった。港内でもっとも大きな船だったので、通路を邪魔している小舟らは逃げ走って路を開けた。その中をおおらかな速度で姿を顕して来る船首の風貌は、満場の注視を浴びるに適した偉容で、黒い船体に純白の明快な甲板は、帆に風を孕んだ宝船の近づくに似た、静静とした期待を人人に与えて美しかった。歩廊に溢れた出迎えの群衆は帽子を振るもの、手巾を靡かすものでどよめき返した。初めのうちは甲板に並んだ乗客らの顔も、ただ黒い一線となって映っているに過ぎなかったが、近づくに随って、巨大な建物の迫るようにあたりの空をぼっと暗くさせ、波を縮め、見事な長い