Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いっすんぼうし

日本の古典童話

楠山 正雄

Leggi 日本の古典童話 (いっすんぼうし) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.747 caratteri · 50 schermate

Aozora Bunko

五

」

といってことわりましたけれど、みんなはどうしても聴きませんでした。そこで悪びれもしず、鉢かつぎは筆を持って、

「春は花、

夏はたちばな、

秋は菊、

いづれに露は

おかんとすらん」

と、美しい文字でさらさらと書いて出しました。みんなは「あッ」といって、それなりもうだまり込んでしまいました。

おとうさんとおかあさんは、宰相と鉢かつぎのためにりっぱな御殿をこしらえ、たくさんの田地を分けてやって、豊かに暮らすことのできるようにしておやりになりました。

五

それから幾年かたちました。宰相と鉢かつぎとの間には、いくたりもかわいらしい子供が生まれました。

でも鉢かつぎは、時々別れたおとうさんのことを思い出して、このかわいらしい孫たちを、どうかして、おとうさんに見せて上げたいと思っていました。

ある時宰相は、天子さまの御用を勤めて手柄を立てたので、ごほうびに大和、河内、伊賀の三箇国を頂きました。そのお礼まいりに、平生信心する長谷の観音さまへ、うち中残らず引き連れて、にぎやかに御参詣をなさいました。

その時お堂の隅に、ぼろぼろの衣を着たきたならしい坊さんが座って、何か仏さまにお祈りをしていました。