Classici giapponesi con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6467 caratteri · 14 schermate
これは喧嘩の間に行われた。というのは、一人の白チヂミのシャツにゲートル巻の男が三等切符で入って来ていて「こんなめちゃくちゃな世の中になったのに、汽車ばっかりやかましいこと云ったって仕様がないじゃないか」と大声で悪体をついた。「めちゃめちゃな世の中だから、ああやって天皇陛下が勅語をお出しになったんじゃありませんか。鉄道の規則はどこまでも守って貰わにゃなりません」まだその男ブツブツ云っている。も一人の男は、車掌のわきにすりよって「どうぞお願いします、知ってすることじゃないんですから、どうぞお願いします」とやっている。何処から何処へ行くのか「二百円ばかりかかります」とやられている。二百円は迚も出ぬ風体である。
一応すんだと思うととなりの列のところにいた若い水兵(学生上りの男で下士官)のところへ来て「あなたは車掌を何と思っているんですか。三等の切符で二等へ乗って、精算して上げます、とおだやかに云っているのに何の文句があるんです」若い下士官小生意気ないやな顔をした男、陰性にブツクサ云っている。「文句がある? どこに文句があります、一言でもこの方を侮辱したことがありますか。