Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
やっとそれがすんでしまうとお膳を押出して、だまって、吃驚しているあたしの顔をギロリと見た。
それが鎗一筋の主だという加頭義輝だった。眼の強い、おなじように長い顔だが色の黒い輝夫という人が、紬の黒紋附きを着て来ていたが、大変理屈ずきで、じきに格式を言出していた。あたしが脅えきっていると、怖くはない、加頭の兄さんで、おとなしい人だと家の者がいった。あたしは武士だった人たちだから刀疵であろうと思って凄いけれど敬意をもっていたら、あの人はあんまり遊んでばかりいたのであんな顔になったのだと言ったものがあった。
「いや、怖いはずです。」
と親味の弟でさえ言った。
「私たちでさえ、見なれていてもギョッとする時がありますからな、好い気持に寝ていてふッと目を覚すと、知っていながらよくはありません。一ぱい機嫌で帰った時なんか、お世辞なんぞいってくれない方がいいと思いますよ。」
「行燈のそばに、立ひざをして、横むきだったら、菊五郎の庵室の清玄だね。」
と父でさえいった。
末の弟は特長のない、それだけ普通の人だった。この一家は中の弟が家長になって、兄貴の方が居候だった。女たちは封筒を張ったり、種々の内職をしていたが、時々男たちは殿様気分を出して威張った。